2006年10月

サメビタキ

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最近僕の野鳥撮影は趣向が偏っていて小鳥メインだ、シギチなんかが嫌いって訳でもない、自己分析すると簡単に撮れるシュチエーションがつまらないのだと思う、だから人の多い都市公園などは他に行くところがあれば余り行くことがなくなった、ネットで鳥の動きを探り自分の知ってる範囲で何処に行けば楽しめるか考えを巡らす、何に出会えるか予測がつかないポイントでの出会いはそれがたとえ留鳥であっても新鮮な感動を覚えるし鮮明に記憶に残る、そんなわけで今年の夏鳥のシーズンは山に沢山行った、去年までは渡りの季節は都市公園しか鳥が居ないと思っていたが、山には沢山の出会いがあった、もちろん失敗する事も多くそれもまた愛嬌だと思う、基本的に歩いて探すタイプだが、時折定点で粘ってると思わぬ出会いがあったりすることも知った、でも歩けるうちは自ら探し回るスタイルで今後も行こうと思っている。
写真は鷹の渡りを見に行ったとき、偶然林で見つけたサメビタキ、この時が初見で凄く嬉しかった、結局この年は各所で沢山見ることが出来たがこの時出会ったサメの印象が一番強い。

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2006年9月

マミジロ

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ある日を境に掲示板でマミジロが散見するようになった、この鳥はずっと僕の憧れの鳥でどうしても見てみたい、色々見ているとどうやら場所はあの山みたいだ、残念ながらこの段階に至ったのは週初め、当初週末まで我慢するつもりだったが、火曜に仲間のAさんが撮ってこられてついに我慢できなくなったしまった、そんなわけで会社には急用ってことにして平日出撃。
平日とはいえ出来るだけ人が少ない内に現地に着きたいのでかなり早く出発した、出発前はちょっと後ろめたい気持ちもあったが、車に乗ったら直ぐにマミジロへの期待でそんなことはすっ飛んでしまった。
駐車場に車を止めてまだ暗い登山道をひたすら登る、登り切った頃には周辺もかなり明るくなってきて良い感じだ、今日はさすがに平日の早朝ということで人が少ない、だいたいの場所は聞いていたのでカメラをセットして逸る気持ちを押さえてゆっくりポイントに向かう、見下ろしの方が撮りやすいと思い上から回るつもりで何気なく進むと道ばたになにやら黒い鳥が彷徨いている、うそ、マミジロみたい、それも成長オス、余りにあっけない出会いにちょっと拍子抜けだったが早々に撮影出来てなんだか凄く落ち着いた、その後この日は至る所でマミジロが撮り放題、凄くエキサイティングな日になった、とはいえ成長のオスは出現率が悪くて、結局最初に出会った時の写真が一番満足出来る物になった。

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2006年8月

ホシガラス

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去年から行きたかった富士山に夏休みを利用して遠征、奥庭の水場にはひっきりなしにいろいろな鳥がやってきて楽しませてくれるが、肝心の本命は朝方に瞬間現れただけ、おまけに朝の時点で僕のデジ眼は運悪く故障、デジスコのみの勝負になってしまった。
朝からずーと水場で頑張ってウソやルリビは一杯撮れて楽しいがホシガラスだけはまだ一度見たきり、さすがに夕方近くになるとみんな飽きて周辺をうろつき始める、そんな中展望台に行った人が間近で見たという話を聞いて半信半疑行ってみることにした、最初は見つけられなかったが谷を飛んでいるヤツを発見、遠くの枝に止まったり飛んだりしている、暫く待ってると段々近寄ってきて最後には僕たちの回りを飛び回る始末、デジ眼組は半狂乱で飛び物狙いの中、僕は冷静にデジスコでドアップ狙い(悲)でもこんなに間近で沢山撮れて大満足だった。

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2006年6月

コマドリ

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ここにコマドリを探しに来るのは今期2回目、前回は声とシルエットだけで悔しい思いをした、後に西大台の方が良いと判ったがこの時点では去年の事もあり東しか知らなかった(噂ではもう西大台には入れないようだ)。
前日の夜に現地入り、ここは距離的に朝からでも問題ない場所だが夜に行くのは☆を見るのが目的、あいにく今夜は薄雲で見れないが、晴天の澄んだ空気の日は驚くほどの満天の星空でこれだけでも来る値打ちがある。
翌日右回りで散策スタート、ルリビタキ、コルリ、ヤマドリなどの出会いはあるが肝心のコマドリは声すら聞こえない、前回声の聞こえた場所まで来ても同じ、今日もダメなのかと残り少なくなった行程を進んでると、五月蠅いハルゼミの声に混じって微かに期待の声が聞こえる、でも方向は完全に藪の中、一度は諦めて先に進みかけたが、ここから先はまず見込みが無いと思い直し引き返した。
取り敢えず声のする方角近辺をウロウロしてみると獣道があった、そこに分け入ると苔むしたいい感じの谷があってどうやらその下あたりで囀ってるようだ、しかしそこまでは思いっきり斜面で、おまけにここに入った瞬間から凄い数の虫が集中攻撃、でも撮りたい一心で前進、暫く斜面にへばり付いて待つもなかなか近くに来てくれない、もう虫が我慢できなくなって引き上げようかと思った矢先近くで囀りが聞こえてきた、ホントに近そうだけど何処で鳴いてるのか判らない、下ばっかり探してたら目の前の土手の上で発見、もの凄く暗くて三脚もちゃんと立ってないけど必死でシャッターを押し続けた、結局液晶では囀ってる姿を存分に見れたが写真はブレブレ、そんな中数枚止まってる写真があって心底ほっとしたのを思い出す。

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2006年5月

サンコウチョウ

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僕にとってこの鳥は神秘的な鳥だった、この頃までは出会いが少なかったこととその独特な容姿?からそう思うのかもしれない、この場所は去年偶然見つけた場所でこの鳥を初めてまともに見たのもここだ。
今年も大体の季節を見計らって行ってみた、生憎の雨で普段でも暗い場所なのに何時までたっても日の出前みたいな状況、ここは待っている間も他の鳥が来ないのも特色(笑)で、はっきり言って退屈、暗いからか時折鹿が道を横切ったりしてドキッとする、ずっとこんな時間を過ごしてると後ろの林で独特の鳴き声が聞こえてきた、じっと待ってると段々近寄ってきている、折しも雨が激しくなってきて大変、出来るだけ大樹の下で息を潜めて待っていると運良く前の少し開けた場所に止まった、僕は祈るような気持ちでシャッターを切った。
※その後H神社に行くとスズメ並みに彷徨くサンコウチョウを見て、ちょっと僕の中の神秘性が薄れてしまった。

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2006年5月

ヤマショウビン

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4月に舳倉に行ったときに民宿の女将が”5月はいいよー”ってのたまう、”でも空いてないんでしょ”って僕、ところがキャンセルが一杯あって相部屋なら空いてるそうな、その頃連休はほぼ戸隠に決まりかけてたが泊まれるとなると又行きたい、ということで二泊三日で舳倉、残りは戸隠で決定。
島に着くと前回と違ってなんだか鳥の気配がワンサカ、さらに民宿に着くとヤマショビンが出てるそうな。
ヤマショウビンが凄く気になるが至る所で鳥が居るので先にこっちを料理することにして島内巡り、といっても気になるので時々ヤマショウビンポイントを覗くもそんなに都合良く出るわけもなく1日目は終了。
2日目はじっくりヤマショウビンに的を絞って出撃、しかしいくら待っても現れる気配なし、昨日で抜けたのかと嫌な気配も漂う中突如左方向から出現、僕はよそ見してたからか発見が思いっきり遅れて、ブルーと白のラインが右に横切ったのがチラっとだけ、右側に飛んでいって遠い崖に止まった時やっとまともに視認、慌ててカメラを構えるも、何故かこんな時に限ってファインダーに入らない、焦りまくって何度も何度も肉眼と見比べてファインダーに収まったときには悲しいかな飛び出した後だだった・・・、結局僕には姿形よりもブルーの印象だけ強く残して見えないところに飛び去ってしまった。
今回見れたのはこの1回限り、翌日も粘ったがどうやらこの日を最後に抜けたようだ、おまけにこの日帰る予定だったが海が荒れて島流し、結局1日延長で戸隠転戦は来年ということになってしまった。

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2006年4月

ヤツガシラ

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野鳥撮影を始めて2年目に入るとさすがに初見の鳥は減ってきて毎回新鮮な感動を味わうということはなくなってきた。
近場で満足出来ていたフィールドも段々遠くまで手を出すようになりこれが普通に・・・、色々ネットを徘徊して何処か良い所がないか探すようになったのもこの頃から、舳倉島の事もその頃初めて知って何時かは行きたいと思うようになった。
そんな頃5月の連休の予定が決まらず色々物色している際、冷やかしで舳倉の民宿「つき」に電話してみた、そうしたら連休後半は埋まってるが前半は空いてるという返事、当時噂では舳倉は1年前から予約しないと行けないという話を聞いていたので喜々として鳥仲間にメールすると行くということで話がまとまった、結局予約したのは連休前の土日で、数少ない情報からでも少し早そうだったがそんなことは気にしない。
前日に輪島までの遠い道程をひたすら走り港で仮眠、心配した天候も何とか持ちそうで船は出る模様、しかし行きの船はかなり荒れて相棒は途中でダウン(笑)。
前置きが長くなったがそんなこんなで舳倉島に到着、実は今回もっとも期待していた鳥はヤツガシラ、丁度この年京都に出たが僕が行っときには抜けた後で凄く悔しい思いをした鳥だ。
民宿に荷物を下ろして情報を聞くと”校庭にいるよっ!!”と軽く言われた、でも僕らは興奮状態、慌てて校庭に行って見つけたときは直ぐに飛ばれて撮れず、その時はちょっと焦ったが結局その後何度かチャンスがあって撮ることができた、今回の個体は警戒心が強くてなかなか近づくことも出来ず、開いた冠羽も撮れなかったが凄く個性があって印象的だったのを思い出す。

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2006年1月

ヤマセミ

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これまでにもヤマセミは何度か見る機会があったが何れもはるか彼方の遠い場所、何時かは間近で見たいと思いを募らせタイミングが合えばヤマセミのポイントに出向いた。
この日もまた行きたくなり早起きしたが外は予想外の雪、諦めの悪い僕はそれでもヤマセミのポイントに向かって車を走らせた、幸い現地は雪も止んでおり何とかなりそうな雰囲気、ところが肝心の主役が全然現れない、この後オシドリも見に行く予定だったので早々に諦め車に戻った、移動する前に念のため少し下流のポイントも見ておこうと思い双眼鏡だけで偵察、これが功を奏してメスを発見、しかし複雑な枝の中にいてまともな写真にはなりそうにない、それでもせっかくだから撮っておこうとデジスコをセットして何枚か撮影、そうするともう少し待てば位置を変えるかもしれないという淡い期待が出てきた、折しもさっきまで止んでいた雪がまた降り出し凄い吹雪になってきた、その時は半ばやけくそでこのまま待ち続けた、暫くして下流からオスが鳴きながらこちらに向かって来た、何処に留まるか目を凝らして見ていると奇跡みたいに対岸の僕の目の前の木に留まった、今までで一番近い、吹雪の恩恵で余り警戒していないようだ、デジスコで導入したが雪のせいでピントが合ってるのかどうか判らない、取り敢えず撮れるだけ撮った、家に帰ってパソコンで画像を開くと、遅いSSの為か不思議と雪の影響はなく、今までで一番綺麗なヤマセミの画像がモニターに写っていた。

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2006年1月

アオゲラ

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金剛山に餌場があり留鳥が撮り放題なのを知ったのは2回目に登った時だった、鳥はいっぱい撮れたがその時は見てみたかった樹氷が残念ながらなかった、どうしても樹氷を見たかった僕は今冬3度目の金剛山参りを実行した。
麓の駐車場は前回程雪は無くなんだか寂しい思いをしたが、ロープウエイで登った先はガチガチに凍った雪の世界だった、運悪く期待していた青空こそ望めなかったが樹氷はしっかり出来ていた、たしか氷点下-6度だったと思うが、それでも樹氷を堪能して餌場までの山道を歩くと汗だくになってしまった。
いつもの場所で愛想のいいコゲラやゴジュカラ達を喜々として撮影、その内汗も引き逆に凄く冷え込んできた、特に足や手の指の先が痛い、寒さにめげず1人で撮影を続けていると近くの高い大木に一匹の鳥が留まった、一面銀世界なので留まった鳥は真っ黒でよくわからない、双眼鏡で覗くと驚いたことに前から見てみたかったアオゲラだった、位置がかなり高いので少しでも目線に近づけようと、後ろの崖をよじ登り腰まで雪に埋まりながらやっと顔が見える位置にたどり着き何とか撮影成功、しかし雪に埋もれた靴は中まで雪だらけになってその後さらに寒い思いで過ごすことになってしまった。

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2005年12月

ハイイロチューヒ

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10年目の車検を期に車を買い換えた、今回は四駆で車泊出来るのを条件に選んだ、車にも慣れてきた頃、車泊でどこかに行ってみたくなった、山が良かったがめぼしい所が無かったので鍋田にハイチュウ目当てで行くことにした。
途中のSAで寝る予定だったが、余りに五月蠅いトラックのエンジン音に嫌気が差し現地まで直接移動した、ところがここは凄くへんぴな場所で落ち着ける場所がない、寝場所を探して田圃をぐるぐる回るも何処も一緒、時間は過ぎるわ早く寝たいわで泣きそうになった、その内本物の睡魔がおそってきてどうでも良くなって田圃の脇で寝た。
少し寝過ごしてうっすら明るくなってきた頃に目が覚めた、でもここはポイント焦ることはない、適当に持参した食料を腹に収めてハイチュウ探しを始める、朝日が少し差し始め、カワウの大群も餌場にご出勤だ、田圃を何周か流した頃、遠くの方で白い鳥が飛んでいる、最初カモメに見えたがなんだか飛び方が違う、ひょっとしてあれがハイチュウか?、慌てて車を反転させ近くまで移動した、幸いまだ遠くに行っていなくて手持ちで撮れた、まだ明け切ってない朝の光の中でハイチュウの羽はやたら白く感じた。

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2005年11月

ナベズル

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岡山や奈良まで行かなくても大阪には金剛山があるじゃないか、ということで一度行ってみることにした、ところがその日は運悪く霧が出ており千早園地に降り立った時には10m先も見えない状況、妙見山でよくこういう状況に巡り会うが、近いと行ってもここは金剛山、諦めきれる場所じゃない、しかしいくら待っても霧が晴れる気配がない、泣く泣シャッターを一枚も押さないまま下山した。
このまま何もしないで帰るわけにもいかずしばし考えた、思い出したのは岸和田のナベズル、カーナビによるとそんなに遠くない、町中の池って好きじゃないが他に行くところが無かったのでここに移動することにした。
着いた場所は広いがなんの変哲もない場所、アオサギはいっぱい居る、人も多い、帰ってくるのは夕方と聞いていたのでカメラをセットしてのんびり待つことにする、山で待つのと違い時間の流れがやたら長い、途中で帰るわけにも行かずいやいや時間を潰す、それでも日差しが少し弱くなり始めた頃、誰かが大きな声で”帰ってきたー”と叫んだ、その方角を見ると3羽の鳥が優雅にこちらに向かっている、やっとかー、という感じでカメラを向けて撮り始めた、ファインダーに入れて追っかけいると途中で月がフレームに入った、咄嗟にナベズルと月をフレーミングして連射した、その時の網膜に焼き付いた絵は凄く印象的で、この時初めてここまで来て良かったと感じた。

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2005年9月

ゴジューカラ

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この年は何度か岡山の山に行った、行き始めたのが8月からだったので、何れも探鳥的にはシーズンオフで留鳥しか居ないことが判っていた、留鳥だけとはいえ標高1000m以上のこの地は、オオアカゲラ、コゲラ、ゴジューカラなど、普段地元ではお目にかかれない鳥と出会える、当初ここに来たときは歩きまくって鳥を探したが、ポイントで待っていれば向こうから現れるというのも判ってきた頃だった、その日は遠いポイントに気配が無いように感じたので、近場のポイントに戻って鳥が来るのを待つことにした、時々アカゲラの声が聞こえるがじっと我慢して待ち続ける、下界と違って9月の山の風は爽やかで気持ちよい、何もしなくても心が洗われるようだ。
暫く待った後にお馴染みのカラ軍団の声が聞こえだした、ここでは不思議とコガラとゴジューカラは混群しない、今回の群れにはゴジューカラがかなり入っているようだ、僕はまだまともにゴジューカラが撮れたことが無かったので必死に追いかける、ちゃんと撮れた感触がないまま時が過ぎていく、群れも離れて行ってるようだ、ふと下を見ると10m程先に切り株があり、そこにゴジューカラがエサでも捕っているのか瞬間留まる、落ち着いて少し観察すると、動きはすこぶる早いが同じ所に留まる、僕は一か八かでその場所にピントを合わせ肉眼でゴジューカラが留まったときに連射した、団体が全て飛び去った後、液晶の画面でさっきのゴジューカラを確認した、そこには今まで見たこともない綺麗なゴジューカラの画像がちゃんと保存されていた。

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2005年8月

クロツグミ

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夏も盛りになって平地で撮影がしづらくなった頃、岡山の山に行くようになった、鳥取のアカショウビンの森が素晴らしかったので、きっと中国山地が気に入ったのだと思う、この頃は既にこの程度の距離は全然気にならなくなっていて、逆に近いところで満足できない病に冒されつつあった。
いつものように夜明け前から中国道をひた走り、特別迷うことなく目的地に到着、誰もいない薄暗い駐車場で1人機材をセットしていると、クロツグミとオオルリが回りの森で鳴きまくっている、すぐ横には吉井川の源流が流れており沢音も心地よい。
森には管理された道があるとはいえ、人気が少ないことと入口の立て看板には”熊注意”の表示もあって、ちょっと薄気味悪い、森の中に進んでいくとさらに薄暗くなり、なにやら獣の気配もあってビビリながら前進、でも石畳の坂を登っていくとだんだん鳥の気配も濃厚になって気にならなくなる、時々なにやら飛ぶ姿も視認するが梢がじゃまでよく見えない、随分歩いて周遊路を半分以上過ぎたところで少し開けた所があり、至る所でクロツグミが鳴いている夢のような場所に出た、丁度屋根付きの休憩所もあってここで暫く粘ることに決めた、天気はどんよりしており暗い、デジスコをセットしてその場で待機した、休憩所に腰掛けて汗も引き始めた頃、突然目の前の枝に綺麗なクロツグミが留まって囀りだした、まだ心の準備が出来てなかった僕は興奮して思わず立ち上がってデジスコを構えようとした、ところがその動作で驚いたのかクロツグミは右奥の林に飛んでいってしまった、それから三脚を短くして座ったまま撮れる状態で待ち続けたが、二度とその枝に留まることはなかった。

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2005年7月

アカショウビン

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ある日ネットを徘徊しているとおなじみの掲示板で衝撃的な写真が貼ってあった、それはアカショウビンの素晴らしく鮮明な写真、僕は関西近隣ではアカショウビンなんて見る事など出来ないと思っていたので遠い世界の出来事だと思っていた、しかし次の週もアカショウビンの写真が貼ってあるのを見て、いても立ってもいられなくなった、その時には既にポイントの情報を教えて頂いていたが、当時の僕は地元で満足しており、鳥見で50Km以上の所に行くには凄く抵抗があった、とは言ってもこれだけはどうしても見たい、最初にこの写真を見たときから一ヶ月ぐらいたった時だと思うが思い切って行くことにした、朝の3時頃に出発して現地に着いたのはまだ日の出前、国道からそんなに離れてないのに着いた場所は山深いブナ林、まだ星空の見える駐車場に降り立った時、遠くの林から初めて聞くアカショウビンの声が山間に響き渡りなんだかゾクゾクっとしたのを思い出す。
それから巣穴の近くの撮影ポイントに陣取ってアカショウビンが出るのをただひたすら待ち続けた、だが時々鳴き声が聞こえるものの何時間たっても姿を見せない、他の鳥も居るが、場所を離れたときにアカショウビンが出たら後悔するので離れることも出来ない、もう既に10時間以上待ち続けて音沙汰無し、僕は疲れ切ってその日はこれでブナ林を後にした。
とてもじゃないけどこのままじゃ諦めきれないので次の週も出かけた、この日は怪しい天気で途中の高速では前も見えない位の豪雨の中を突き進んでブナ林に向かった、現地では幸い雨も小降りになっており、今日はきっと出ると自分に言い聞かせ例のポイントで待機した、しかしこの日はアカショウビンの声すらしない状況の中で、またこれから長い時間が始まるのかとうんざりしだした頃、先に来ていた人が谷に向かって何やら撮っている、何かなと覗いたその先には細い枝にアカショウビンがちょこんと留まっている姿が見えた、初めて見るアカショウビンに喜びも大きかったが、やっと会えた安堵感の方が強かったように思う。

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2005年5月

サンコウチョウ

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渡りの鳥が一段落した頃、箕面でサンコウチョウの声が聞こえているという情報をいただいた、ここは去年に営巣の鮮明な写真を見せてもらっていて、この季節が来るのを心待ちにしていた、5月の後半だったと思うが早朝この場を訪れた、車を降り立ちいつもの入口から広場に行き様子を伺っていると、森の奥から例の独特の鳴き声が聞こえてきた、偵察だったのでカメラ機材を取りに車まで戻ろうと思い、細い車道に差し掛かったとき、左の藪でゲ、グエという変な声が聞こえた、何かなと思って足を止めその方角を覗くと、藪の中から鳥が飛び出してきて右側の木に止まった、その鳥は尻尾がやたら長く一目でサンコウチョウとわかった、カメラがないので唖然と見ていると、かなりの長時間留まったままだ、ひょっとしたらと思い急いでカメラを取りに行って戻って来ると、もうそこに鳥の姿はなかった。
その後ここでは撮影できなくなり、どこか他の場所で撮ろうと思い、次の休日には能勢界隈に偵察に向かった、最初の場所は全くダメだったので、ふと思い出した渓流沿いの蝶のポイントに行くことにした、林道を歩くこと20分、森の奥からサンコウチョウの声が聞こえてきた時は凄く嬉しかった、まだこの段階で撮影出来てないので今日こそは撮りたい、声を目安に撮りやすそうな所に陣取って待っていると、一度だけ開けた場所の木の枝に留まった、絶好のチャンス、僕は咄嗟にカメラのAFボタンを押した、するとピントは合わずに思いっきり迷い出した、僕は焦ってマニュアルでピントを合わせ直しシャッターを押したが既に飛びかけておりコンマ何秒か遅かった、その後このシーズンでは何度かチャンスは巡ってきたが、未だにまともなサンコウチョウの写真が撮れないでいる。

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2005年4月

キビタキ

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鳥の撮影場所というのは結構限定されていて、そんな所に行くと大抵お仲間が居る、何度も顔を会わすと結構親しくなって、この頃には何人かの鳥仲間が出来ていた、そんな仲間から春の渡りは凄いよって何度も聞かされており、暖かくなるのを心待ちにしていた、4月の中頃だったと思うがそんな仲間が平日に服部緑地でキビタキを撮ってきて掲示板に貼っていた、当時僕はキビタキはおろか夏鳥は見たことなどなく凄く羨ましかった、当然次の休みには服部緑地に向かった。
始めて行った服部緑地は凄く広くて何処に行けばキビタキが見られるのか全く判らず、ただ闇雲に公園内を歩きまくった、なにか撮れたような記憶もあるが肝心のキビタキだけはついに見つけられなかった、意気消沈して疲れきった足を駐車場に向けて歩き出し自分の車が見えてきた頃、その少し横のせまい草むらにある低木に横の林からヒラヒラと鳥が降り立った、その時はデジスコだったので何となく導入したが、液晶に映った鳥は探し求めていたキビタキだった、大慌てで撮ろうとするもピントが合う前に飛ばれしまった、こんなかったるいシステムでは撮れないと思いデジ眼をリュックから取り出し追いかけた、でもこの時すでに道路沿いの高い木に移動していて闇雲にシャッターを押したもののピンボケのお尻しか写っていなかった。

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2005年1月

アカゲラ

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この頃は自宅の裏山である五月山に行くと結構色々鳥が見れることが判り、近いこともあって通い始めた、ある日変わった鳴き声がするのでその主を探すとアカゲラだった、とはいってもその時は遠い林の奥に姿を拝めただけで写真にはならなかった、それから何度か見ることは出来たがろくな写真は撮れなかった、ある日同じように丘の上でアカゲラが鳴いているので慌てて坂を登ってその方角に向かった、しかし坂の途中で急に声がしなくなり耳を澄ましても何も聞こえなくなった、仕方がないので諦めて元の道をとぼとぼ戻りだした。
坂を慌てて登ったものだからちょっと疲れて途中の開けた場所で休憩することにした、タバコを吸って一服していると又アカゲラの声が聞こえだした、それも段々近づいて来てるような気がする、暫く見ていると右奥の林から飛んできて何と僕の目の前の木にすっと止まった、おまけに2羽入り乱れている、僕はふるえる手でカメラを構えて撮りまくった、このときのファインダーから見たアカゲラの綺麗な姿は今でも忘れられない。

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2004年11月

カワセミ

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何度か出撃して野鳥図鑑やネットでそれなりに鳥の名前が判りだした頃、カワセミという綺麗な鳥が気になりだした、どうやら池や川に居るらしい、そんな時、蝶の探索で能勢の山に行っていた頃に山間に幾つかの池があったのを思い出した、人里離れた所でいかにもカワセミが居そうな気がして(その時はそう思った)そのルートをなぞって見て回ることにした、3箇所程回った池はそれぞれ静かな物で、カワセミの気配などなくトンボが舞ってるだけだった、意気消沈してまだ知ってる場所はあったが諦めて帰ることにした、自宅近辺にたどり着いた時、ふと子供の頃ミジンコやカメを捕っていた池が近くにあったのを思い出した、暫く行ってなかったがカーナビではまだ池を表示している、最後にちょっとだけ寄ってみようと思いハンドルをきった、ところが着いた場所は昔の面影などまったく無く、管理された公園に変貌していた、池は護岸され単なる巨大な水たまりに見えた、ガッカリして諦めて帰ろうかと思ったが、池を覗くとカモが数羽浮かんでいた、仕方がないのでこれでも撮ろうと思い、カモが居る場所まで池の周りを歩いていた時、池の端を小さな青い点が横切った、まさかと思ったが、飛んだ先をファインダーで覗くと(当時双眼鏡は持ってなかった)そこにはちょこんと座ったかわいいカワセミの姿が小さく見えた、こんな汚い護岸された池に居るとは思わなかった僕はドキドキしながらシャッターを押しまくった。

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2004年11月

ジョービタキ

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ズーム+テレコンの画質に凄く不満の溜まっていたある日、会社帰りに三番街の大林カメラにふらっと立ち寄った。
当時ここは中古レンズウォッチに便利な店(今は無い)で重宝していた、今日も何気なくキャノンのショーウインドウの中を覗くと偶然白いレンズが2本並んでたEF300F4とEF400F5.6だった、このとき単焦点で撮るときっと綺麗に撮れるんじゃないかという思いが頭によぎり、思わずカードで400mmの方を買ってしまった。
新しいレンズを買うと試し撮りに行きたくなるのは当然の成り行きで、どこに行けばいいのかネットで色々探した、出来るだけ近くで良いところは無いかと徘徊してると、どうやら妙見山に行くと色々撮れるらしいことが判ってきた。
さっそく次の休日に早起きして妙見山へ、駐車場に車を止め降り立つと、朝の山の深閑とした雰囲気の中でなにやら聞いたことのない鳥が鳴いている、はやる気持ちを抑えてカメラを持ってその声の方角に向かった、鳴き声の主は高い梢の上でオレンジ色が綺麗な鳥だった、山に行けばこんな綺麗な鳥が居るのかとその時は妙に感動したのが記憶に新しい。

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2004年10月

シジューカラ

蝶が完全にシーズンオフになった2004年10月、撮るものがなくなってきてなんとなく鳥でも撮ってみようかと思うようになった、当時手持ちのレンズで一番長かったのはEF70〜200mm、これにテレコンの×2を付けて徒歩で近所の公園に出かけた。
この頃は野鳥の名前といえばカラスとスズメと山バト(キジバト)ぐらいしか知らなくて出向いた公園で初めて見たヒヨドリも何だか解らない有様、そのヒヨドリを夢中で撮っている時に、なにか白っぽい鳥が視界を横切った、何だこれは?始めてみたその鳥は凄く綺麗に見えて、もっとしっかり見ようと思った僕の思惑をよそに一瞬で視界から消えた、今の鳥を撮りたいと思ってその後公園を探しまくったが、運悪くこの日は二度と見ることが出来ないまま終わってしまった。
たぶん次の週だったと思うが、先週見た謎の鳥を探しに又同じ公園に出かけた。
公園に着いて同じポイントに行くと先週一瞬しか見れなかった白っぽい鳥が5羽程枝を飛び交ってた、僕は夢中で追いかけてシャッターを押しまくった、喜び勇んで家に帰ってパソコンで見た画像はピンボケブレブレのオンパレードだったが、その謎の鳥の特徴はちゃんと写っていて、ネットで照合してシジューカラだと分かった、今となっては何処にでもいる鳥だが、当時はこんな綺麗な鳥がいるのかと凄く感動したのを思い出す。

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